職人の心得③ 弟子への提言 仕事は段取り八分

この職人の心得シリーズ、なんか偉そうに書いてるが、実は自分に言い聞かせてることでもある。 多分、今まで自分自身ちっとも出来てない。 ここへ書くことによって、これらを意識し、実行できるようにするのだ。    仕事は段取り八分   これは、職人なら定番過ぎる言葉である。 恥ずかしいことだが、やっぱり自分自身、今までしっかりやっていたと言う自信は無い。   でも、この言葉... Read More

整理整頓③ ルーティンワークを意識しろ

整理整頓は、何も工房や事務所内のことだけではない。 仕事そのもののやり方・進め方も同じことである。 今日何をすべきか、どういう風に現場を進めるか、などなど仕事全般を分かり易くし、職人スタッフ皆で共有し、効率良く進められる仕組みを作るのだ。 その仕組み作り、つまりシステム化によって、事務から現場仕事まで、自分が指示しなくても、職人スタッフそれぞれが、自分のすることを把握し、仕事が進むようになる。 こ... Read More

工房の整理整頓② 片付けると、頭の中もスッキリする

今日ももう少し、工房の事について書こう。 実は整理整頓は、子供の頃から苦手だ。でも最近になってようやく気が付いた。 片付いてないと仕事がはかどらない、そして、頭の中もスッキリしない、という事に。まるで頭の中と3次元の空間とが繋がっているかのようだ。 事務仕事でも同じことで、デスク周りが書類でグチャグチャだと、もうダメ。頭の中もグチャグチャした感じ。 デスク周りがスッキリしていると、頭の中もクリアに... Read More

工房の整理整頓

長く工務店をやっていると、現場で余った材料、残った金物類など、どんどんと在庫が溜まる。 木神楽の工房は、山の中にあり、広い敷地に、工房もとても広いのだが、やはり、材料で埋まりつつある。 また、古材や古建具もいいのがあれば貰ってくるので、それの在庫もいっぱいだ。 釘や金物、ビスなども半端に余ったものなどがどんどん溜まる。 定期的に掃除し、なるべく片付けるようにしている。 在庫があるということは... Read More

四日市の町家再生⑥ 不揃いな天然素材

雨の日の今日も、四日市の現場は休む事なく進む。   橋本君が、内部の床を張り始めている。杉のフローリングは、30mm厚だ。 天然素材というものは、元来色は揃っているものはない。 特に杉は、白太と赤味の色の差が激しい。色に非常に拘るお施主さんだが、そこはこれで何とか納得して頂くしかない。 混雑する室内。 大工三人に、電気屋2人、あと打合せに、自分と左官屋に水道屋さん、お施主さんもみえて... Read More

四日市の町家再生⑤ 窓が付いたその日

四日市の現場、屋根が出来上がり、着々と進んでいる。 ここは、珍しく現在進行形でお伝えする。   板金屋さんが屋根張り中。 素材は、ガルバリウム鋼板、縦平葺き。 この葺き方は雨仕舞いが良く、かなり緩い勾配でも、雨漏りしない。   リビング上には、天窓を二台設置。 壊す前も、天窓が二ヶ所あった。 以前と同じような位置に、また新しく取り付けた。   細長い間取りなので、... Read More

鳥羽の土壁の家⑩ 柿渋と松煙が出会った

さあ、どんどん行きます。 お次は外壁を張る。 この鳥羽の家で使う外壁材は、杉板だ。 外壁用に、腐りにくい赤身だけで製材されているものである。 杉板の塗装は、もちろんお施主さん担当。 材料にこだわる施主さんは、自然素材だけで塗装できないか調べ、柿渋+松煙というのを探し出してきた。 何と柿渋を作っているお友達がいるとのこと。 その彼のアドバイスを元に、ほんまもんの自然塗料による塗装が始まった。 松煙... Read More

鳥羽の土壁の家⑨ 土壁の外に断熱材を入れる理由

鳥羽の土壁の家、続編。 施主さんが、頑張って塗った荒壁。 施主様ブログはこちら→ 自然と共に 荒壁土が乾いてきたところで、さあやっと大工さんの出番だ。 と、言いたいところだが、実はまだまだ土塗りは続く。 荒壁の上に貫伏せ、そして大直し、というさらなる左官仕事が待っているのだ。 荒壁の状態では、土壁というのはそれほど強くない。そして貫という構造体も見えたまま。 その上にさらに土を塗っていく事によっ... Read More

四日市の町家再生⑤ 解体始まる

さあ、四日市の現場の続きに戻る。 工事に先立って、先ずは中の荷物の片付けと、改修部分の取り壊しだ。 ここは、お施主様が頑張って行われた。 沢山あった荷物や家具は、ゴミに出したり、不用品引取り・お友達に貰ってもらうなどして、処分。 解体もお施主さんが中心となり、御手伝いを含め、進行。 普段デスクワークのお二人にとっては、大変な作業であったと思われる。 奥の離れ屋。プリント合板などの建材は全部剥がす。... Read More

静岡遠征日記② 富士で土壁を塗る

さて、この北山さんの現場でも活躍するのが、流浪の民ならぬ、流浪の左官、小山氏だ。   髭のクマさん小山さんと、ハンチング帽がトレードマークの北さん。     ここでも当然ながら、荒壁は、1年以上藁を漉き込み寝かしてある。もちろん編み上がったえつり竹も自分達で切ってきたものだ。     今回は、公開イベントなので、参加者が続々と集まってくる。 ... Read More

静岡遠征日記① 富士で見た屋根瓦

それは先週土曜のこと。 静岡で、土壁付けワークショップがあるというので、参加してきた。 主催者は、北さんこと大工の北山さん。 松阪の土壁の家で、わざわざ静岡からやってきてくれた大工さんの現場だ。→ 松阪の土壁の家⑦荒壁ワークショップの巻 わざわざなんで遠い静岡まで行くの? それは、もちろんうちの現場に来てくれたらから、そのお返しなのだ。ここにはお金のやり取りは発生しない。手伝ってくれたら手伝って返... Read More

四日市の町家再生④ 設計の巻

今日は、現在進行中の四日市の現場の話。 どこの現場でも同じだが、まずは設計。 リフォームの場合、特に古民家再生は現場を詳しく調査する必要がある。長い年月を経ているので、老朽化、腐食、屋根、そして地震に対する耐力などを勘案し、再生計画を練る。   改修前ダイニングキッチン。 地震に対しての耐力計算だが、伝統構法の場合、限界耐力計算法というのを用いる。 かなり専門的なので、ここはsigez... Read More

職人の心得② 弟子への提言

職人の心得の追加 前回書いた職人の心得①はこちら 職人としては、当然の心構えなのだ。 弟子、大工見習いは特にしっかりと取り組んで、習慣としておくように。 注)基本的に記事は独断と偏見に満ちてます   1日の始まりに、今日の自分の仕事をどこまで出来るかイメージを描く。 1日の終わりには、そのイメージ通りできたかどうかを確認する。   これは、1日を無為に過ごすな、ということ... Read More

鳥羽の土壁の家⑧ 土壁を付ける

鳥羽の家、現在もうほとんど完成している。連休中に、施主様セルフビルドの最後の追い込みで、仕上げまでいくのではないだろうか。 さ、話は去年に戻り、建て前が終わったところから始めよう。 建て前が終わり、いよいよ本格的にセルフビルドの始まりだ。土壁は全部セルフビルドだ。 左官屋さんにアドバイスを受けながら、えつり掻き、そして荒壁付けへと進む。 はい、お施主様ご夫婦登場。 基礎工事から始まり、土壁の準... Read More

鳥羽の土壁の家⑦ そして建て前の日

注)これは去年6月の話   実はこの直前、松阪の土壁の家の建て前もして、建て前2連ちゃんという、ハードなスケジュールであった。本来はもう少し早く建てる予定が、梅雨直前になってしまった。工期の遅れで、お客さんには随分迷惑をお掛けした。 ちなみに、ここの基礎はお客さんセルフビルドだ。地盤が良かったのでシンプルな構造だが、それでも大変だったに違い無い。 さ、建て前の様子をささっと写真で振り返... Read More