古民家探訪〜松阪市編 

ここは松阪市は嬉野町の、雲出川下流域に広がる田園地帯である。その中の古い集落にあるこの古民家に関わらせていただくことになった。

空き家になって、数十年経っているとみられるが、比較的状態は良い家である。

この地域(三重県中西部)で一般的に見られる2重屋根の外観。築年数は70年くらいか?
この家の造り・屋根の形が、この近所数軒もほぼ同じであった。きっと同じ大工さんが建てたのだろう。

古民家としては新しい部類になるだろう。石場建てではあるが、水周りにはコンクリート基礎も見られる。下から見た様子では屋根瓦の状態も良い。

玄関横の部屋。窓が昔のままの木製なのが良い。
民家の特徴であるせがい作り。腕木と出桁によって軒を深く出す。
玄関上の欄間と灯り。その照明は他でも時々見る。この年代のスタンダードな灯りだったのだろうか。

内部の状態はかなり良かった。水周りはユニットバスやシステムキッチンが入れられていて、すぐに住めそうでもある。

つし二階に上がる階段。二階は部屋と収納場所とに別れている。部屋は居室として使った形跡は無い。

さて、この古民家は当初はリフォームしようかという話であったが、結局は解体して新しく建てることとなった。しかしこの家の部材や建具などは建て替える家に生かしたいと考えている。

現在、建て替えの計画は着々と進んでいる。また進行があればお伝えしたい。

大工歴30年、小さな工務店社長が綴る独断と偏見のBlog。 《木神楽》青山高原の麓に工房を構え、木と土の家・古民家再生・タイニーハウスなどを主に手掛ける。お役に立てることがあれば、何でもご相談を。