土壁を塗る
注)これは2018年12月の話です
この日、朝早くから現場に続々と集まる職人達。K山左官を筆頭に、大工や左官、さらにこの店のオーナーまでも。荒壁を一日で一気に塗ってしまう必要があるために人手が要るのだ。
荒壁とは、藁と土を混ぜた竹下地(えつり)に最初に塗りつける土のことを言う。その後、その壁が乾くごとに、大直し、中塗り、仕上げ塗りなど何回もの工程を踏まえて壁は完成する。土壁はその総称。
荒壁用の土は、近隣の泥コン屋さんから朝イチ運んでもらう。これを早速、えつり(竹下地)に塗り付けていくのだ。
泥コン屋とは、荒壁土を専門に扱う業者さんのこと。これも年々需要が減って廃業するところが多く、今でも営業しているのは貴重な存在。
こういう作業は、いつも大勢の職人でワイワイと楽しくやる。そう、建前と並んで家づくりのメインイベントなのである。そしてこの大勢の職人の息がピタリと合った時、それはもうすごい勢いで壁土が塗られていく。こういう作業は、大まかなミーティングはするが、その場の動き・流れで、各々が自分のやるべきことを判断して動くのだ。
何だか不思議な形の建物が出来上がって来たぞ。しかし完成はまだまだ。土壁塗りも、まだまだ続くのだ。
つゞく