前回からの流れで、古民家について書こう。
今住んでいない古民家を持っている人は、たくさん居ると思う。
大体がその人の実家であったりして、物置状態になっていたりする。
そんな家は、ちっとも行かずにほったらかしになっているのではないだろうか。
ここでは、そんな現在住んでいない古民家の管理の注意点を挙げてみる。
住んでいない家は傷みやすい
何故かというと、まずは住んでいないということは、当然締めっぱなしである。大体が雨戸も閉められている。
そうすると中は風が通らず、光も入らず、埃がたまり、ジメジメ、そうするとカビが生えやすい。
また、暗くしてジメジメしていているところは、シロアリも大好物だ。
定期的に、窓を開け、風を通すのがいい。特に梅雨時は要注意だ。
雨漏りが発見されにくい
これも当然だが、住んでいないのだから、雨が漏っていても気が付かない。
たまに晴れた日に行っても、よく見ないと気が付かない。
そしてある日、屋根がごっそり落ちて初めて雨漏りに気づく、となったらそれはもう補修が大変だ。
そして雨漏りしていると、木が腐るだけじゃなく、シロアリにも食われるダブルパンチだ。
雨漏りの原因となるのは、瓦屋根なら瓦の割れ、ズレ。
板金屋根なら腐食による穴か、釘が抜けてめくれてしまっているかってとこだろう。
そうなる前に、手遅れになる前に、しっかり屋根だけは点検しておこう。
屋根の状態について分からなければ、信頼できる工務店に点検してもらおう。
雨漏りを放置してしまうと、立派な家でもあっという間にダメになる。
逆に、雨漏りさえしていなければ、日本の民家は結構永持ちするのだ。
ちなみに、台風などの強い雨風の時だけ少し漏る、壁から滲む、とかならあまり気にすることはない。
古民家は屋根も壁も隙間が多いので、横からの雨風には、漏りやすい。
そういう雨漏りは、台風が過ぎ去って晴れて乾けばそれでいい。
問題なのは、普段の雨でも漏れてくるような状況だ。
そうなると、いつも湿ったままになり、木が腐るしシロアリの格好の餌場となるのだ。
土台周りが埋まっていないか
屋根の次に気をつけておきたいのが、足元だ。
古い家は、当然ながら石の上に土台や束が直接建っているのだが、それが永年の間に埋まってしまい、木部に土が接触している、もしくは埋まってしまっているところがある。
その原因は、やはり道路の高さが上がったり、周りの庭の高さが上がってきたり、落ち葉などが積もって埋まったりといろいろだが、それを放置しておくのは良くない。
そうすると、そこは常にジメジメした状態になり、腐朽菌が発生するし、シロアリさんもやってくる。
また家の周りに、薪などが積んであるのも同じことで、そこから腐食やシロアリが入りやすい。
家の周り、足元はスッキリと風が通るようにさせておくことだ。
とにかく、屋根と土台周りに気を付けよう。
木造建築が痛むのは、雨・湿気による腐食・シロアリである。
そこさえしっかり管理しておけば、日本家屋は長持ちするのだ。