外壁板は塗装すべきか否か

好きにすればいい

何だか答えになっていないが、塗ってもいいし、塗らなくてもいい。自然のままの風合いを楽しむなら無塗装、コストは掛かるが劣化を遅らせ、色を楽しみたいなら塗装すればよろしい。

経年変化を楽しむ〜塗装しない場合

木神楽でいつも張る杉の赤身板。お客様によく聞かれることなのだが、塗装すべきかと聞かれたら、無塗装でも問題ないと答えることにしている。元々水に強い材料なので、水切れを良くしておいたら、そう簡単には傷まない。もちろん、長年の風雨・紫外線により表面は徐々に風化し、色も変色するが、その自然な経年変化もまた美しい。何よりメンテナンスフリーなので、楽チンだ。

古民家の外壁。表面が風化して、いい風合いを出している。

劣化を抑え、色を楽しむ〜塗装する場合

塗装すれば、当然ながら劣化のスピードを遅らせることが出来る。そして顔料の色を楽しめ、板の変色も抑えられる。ただ、塗装(顔料)はいつかは剥がれ落ちるので、その時再塗装をするのかどうか、決断の時がやってくる。剥がれるごとに再塗装するのは手間暇の掛かることだ。何なら剥がれるままでもいいだろう。もちろん綺麗を保ちたければ再塗装すればいい。そこはそれぞれでご判断いただきたい。

左側は、松煙入り柿渋塗り、右は亜麻仁油塗り。〜鳥羽の木と土の家の新築時
築7年目を迎えた杉板の外壁。新築当初はウッドロングエコを塗布。〜二本木の家より

ウッドデッキの場合

ウッドデッキなど、水平部材で雨がよく当たる箇所は、塗装した方が長持ちはする。が、自然のままの風合いを楽しむなら、断然無塗装だ。

自然の風合いを楽しむ、杉の赤身材無塗装のデッキ。〜伊賀の石場建ての家より

気を付けたいのは、板の暴れ

直射日光にさらされる外壁板は、雨風と太陽光のよく当たる場所ほど、よく暴れる。暴れるとは、板が反ったり曲がったりしてくることだ。その時、板に隙間が空いたり、外れたりしにくいように、釘をしっかり打っておくことが大切だ。もしくは釘が浮いてきた時に打ち直すなどのメンテナンスをする事。


さて、現在木神楽で工事中の月読の家では、塗装した外壁を張っている。この様子はまた次回にでもお伝えしたい。

外壁工事中の月読の家。

大工歴30年、小さな工務店社長が綴る独断と偏見のBlog。 《木神楽》青山高原の麓に工房を構え、木と土の家・古民家再生・タイニーハウスなどを主に手掛ける。お役に立てることがあれば、何でもご相談を。