雨が切れやすく、乾きやすく作る
塀は、基本雨ざらしであるので、木で作る場合は大変傷みやすい。それをどうやって長持ちさせるか、であるが、雨に濡れても乾きやすい構造を作ることがポイントである。ここでは、塀の修繕の実例を見ながら説明していこう。
とある御宅の塀が台風で倒れたので、補修させていただいた。この時の強風では、ここ三重県でもかなりの被害が出たので、覚えてみえる方も多いだろう。
・
柱のホゾが折れて倒れた塀
この塀は、おそらく作られて15年程度。強風が当たらなければ傷みながらも、もう少し長持ちはしただろう。
・
最初は、何とか補修しようと考えていたのだが、腐っている部分が多く、最終的には新しく作り直すこととなった。
赤身材で作る
辺材である白太部分は、どうしても腐りやすい。檜であっても白太部分は腐りやすい。ここでは杉の赤身材を使った。
水が溜まりにくい構造にする
写真は、土台部分。ここの上部は勾配を付け、さらに板金を被せて水が中に入理にくいようにした。柱のホゾ穴部分は下まで突き抜いて、水が排出されやすくなっている。
・
大和張りの塀が完成
大和張りとは、板を表と裏と交互に張ったもの。風は抜けるが、視線は遮るという優れたデザインだ。これらは元あった形を踏襲した。前と変更したところは、土台周りに板金を被せたことと、土台の穴を貫通させておいたこと。これで今度は、どれだけ長持ちしてくれるだろうか。
・
そうそう、この御宅では他にも倒れた塀があるのだ。
これも直させていただいたが、その様子は次回にお伝えしよう。