建てる場所を決めるのに、一体どれだけ時間が掛かったのか、どれだけの数の模型が作られたのかは分からないが、施主様と建築家のやり取りは長い時間が掛かったようだ。最終的に決まった場所は、お店からの眺望にはあまり影響を与えない、山の中腹である。
基礎をどう作るかで、ずいぶん悩んだが、最終的には施主様の決断で、石場建てにすることになった。この家作りでは、設計からの全ての工程で、施主が参加しイニシチアブを取っている、施主施工だ。施主様はセミプロと言ってもいいだろう。そして何より住むのは自分であるからこそ、この大胆な家作りが可能になったのであろう。
基礎石を据えるのは、施主様と、いとか工務店の今西氏だ。今西氏は、伊賀石場建ての家、松阪の土壁の家でも同じく基礎石を据えている。ここの家作りは、基礎石をいかに据え置くかが重要だ。今西氏なしでは、この家作りは成し得なかったであろう。
施主様と今西氏によって据えられた礎石。
つゞく