さぁ、しばらく更新してなかった伊賀の石場建ての家について、どんどんといこう。
今までのブログ続きは、こちらをご参照あれ→ 伊賀の石場建ての家
今回の伊賀の石場建ての家は、ヨットから古民家再生まで設計する建築家Shigezoの設計によるものだ。
ここでは彼の考え・ポリシーに基づく設計理念について触れてみたい。
前回に書いた地盤調査で、しっかりした地盤であることが判明。そして自然との共生をテーマとする今回の家づくりにおいて、石場建てになるのは自然の流れであった。もちろんそこには、Shigezo氏の綿密な計算と、何よりもお施主様の深い理解があったからに他ならない。
Shigezo氏の設計のコンセプトについては、このページに詳しく書かれている。
持続可能な循環型社会を目指して
彼の設計は、まずは理想的な社会はどうあるべきか、というところからスタートしている。彼も、そして私たちも目指すところは、持続可能な循環型の社会であることだ。この地球は、我々人間だけのものでは無いし、そう思ってこのまま環境破壊し続ければ、結局のところ自分達が手痛いしっぺ返しを受けることになる。動物も植物も共にこの地球上に生きる仲間だ。もちろん生きていく上で彼らの命を頂戴するのだが、そこには決して驕りがあってはならない。
さてさて話を戻して、現在の日本には戦後に植林された大量の杉の木が、伐採期を迎えている。それらの木を切ることは環境破壊にはならない。その杉の木を有効利用して、構造・仕上げ材だけに留まらず、断熱にも利用して、なるべく建材類を使わない環境負荷の低い家づくりであるのが、彼の手がける家の特徴だ。それらの家は非常にシンプルでしっかりした構造であり、良質な住宅ストックとなるのだ。
ちなみに彼は、古い茅葺の古民家に住んでいる。現在の日本では、無理に新築しなくとも程度の良い古民家はたくさんある。それらを改修して住めば、それが一番環境負荷が少ないであろう。そもそも人間の経済活動自体が、地球環境には良く無い。しかしそんなことを言ったら何も出来ないので、少なくともこの地球に住まわせてもらっているという謙虚さを持って、生きたい。