そう広くはない店内だが、設計は大切だ。
入り口から客席への動線、椅子やテーブルなどの什器の配置、厨房内のレイアウトなど、考えなければならないことはたくさんある。
オーナーのイメージは大体決まっているので、それを元に、具体的に配置計画を作っていく。
椅子の高さから、テーブルの大きさ、人が通れる幅など、一つ一つ寸法を出し、落とし込んでいく。これらの作業は大変だが、なかなか面白い作業だ。
ちなみに、ここでの店内レイアウトの設計期間は、およそ1ヶ月。
オーナーと約1週間ごとに打ち合わせ、その場で、図面を引きながらあーでもないこーでもないと、配置や外観、カウンター仕様を詰めていく作業をしていった。
そして大体の図面が決まってきたところで見積もり。
この工事でも、オーナーのセルフビルド部分があるので、その部分は見積もりから省く。
彼らにやってもらうのは、解体からゴミの片付け、塗装は当然のこと、AV配線、器具の仕入れ、その他各業者の手配など、結構盛りだくさんだ。
ここでセルフビルドについての注意点を少し。
セルフビルドで行う理由は、コストダウンが第一だと思うが、その作る工程を楽しむ、という面も非常に大きい。
しかしセルフで行うということは、その工事の責任を、当然ながら自分で背負わなければならない。
さらに当然ながら、プロレベルのクオリティが出せるわけでもない。
そしてわからないことばかりだろうから、何をするにしても大変だろうし、時間も掛かる。
私たちが一から十まで教えることは出来ないし、それを最初から期待するくらいなら、セルフビルドはやめたほうがいい。
しかし、それでもやりたいのだというなら、喜んで我々は協力するのだ。
つづく