《松阪の土壁の家 Part4》
これはちょうど1年前の話。
さて、構造材の墨付け、刻みがどんどんと進んでいくが、実はそれと同時に、鳥羽の土壁の家の準備も始まっていた。刻みが終わらないうちに、鳥羽の家の材料が工房にどっと入ってくる。
そして建て前は、5月末日と決定、そしてそのすぐ後6月1日に鳥羽の家の建て前も決定するという、とてつもなくハードなスケジュールとなった。どちらも梅雨に入る前ギリギリである。
そして、ようやく迎えた建て前の日。
まず初日は、下組みをする。伝統構法な建物は、木組みが複雑なので、まず寝かした状態で組めるところを組んでしまう。
そして2日目、前日に組んだものを、クレーン車で順番に起こしてゆく。この過程は、大工として最も面白いところである。
そしてこれらは、屋根の登り梁。合掌梁とも言う。この松阪の家の見せ所でもある構造材だ。これを入れる事により、よりシンプルで美しく、そして小屋裏が使い易い架構となる。
これはお楽しみのお昼時間。今回は、いつもの大工メンバーに、木の家ネットの仲間である、滋賀の宮内建築にも来てもらった。宮内さんちは、こだわりの木組みの家、とりわけ石場建ての新築も結構手掛けていて、僕としては、今回の自信のある家を是非見に来てもらいたかったのだ。
そうして屋根まで完成。ここまで4日掛かった。木組みの家にしては早い方だろう。
さあ、次はいよいよ土壁。左官屋さんの出番である。
つづく