《鳥羽の土壁の家 part4》
鳥羽の家の特長、昨日の続き
- もりずむの木を使って建てる
- セミセルフビルドで完成させる
- 自然素材で作る
- 土壁を付ける
- 古建具をリサイズして使う
- 手刻みで作る
4の土壁について。
自然素材でなるべく建材も使わないで作る、ということから、自然と土壁を付けようということになったんだと思う。
木神楽では、新築の場合、土壁の家の割合が多い。一体何故土壁を付けるのか?実は土壁自体には、あまり断熱性能はない。しかし蓄熱、蓄冷はするので、冬には暖房の熱を溜める作用があり、夏は直ぐに温度が上昇しないので、土壁の家は、ヒンヤリとしている。理想的には、土壁の外側に断熱材を入れて断熱効果をカバーしてあげるのが良いだろう。ちなみに鳥羽の家は、外面にフォレストボードという杉樹皮とパルプで出来た断熱材を入れた。
土壁は、それ自体に耐力壁の役割もある。伝統的構法では、筋交いを入れずに土壁で家を持たすのだ。よって鳥羽の家も筋交いは無い。
しかし最大の理由はそんなものでは無い。この地球、Earthである大地の土そのもので家が作られるという、その事自体がとても素晴らしく感じられるのだ。
何も複雑なものは無い。ただシンプルに大地に生えている竹を切り、それを編み、そこに大地そのものを塗りつける、土壁の家は、Earthそのものである。そして、当然解体され、廃棄される時は、自然のものだから、特に処理は要らない。また大地に還ってゆくだけだ。
地球環境の事を考えると、どんな建材よりも環境負荷の少ない優れたものなのだ。